2007年04月12日

ブラックブック

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『ブラックブック』OST

06蘭・英・ベルギー 監督/ポール・バーホーベン
出演/カリス・ファン・ハウテン セバスチャン・コッホ
あらすじ/家族を殺したナチスへの復讐のためレジスタンスに身を投じたユダヤ人女性のラヘル。
髪を染めドイツ軍司令部に潜伏した。
しかし、彼女はナチス症候と恋に落ち、裏切り者の汚名を・・・

★★★★
更紗評/ナチスのユダヤ人迫害。
それだけの作品のようで、そうではなかった。
ナチスの虐行の合間に見える敵味方を越えた愛。
そして信じる者は一体誰なのか?
とても、エロティックでなおかつサスペンスも楽しめる
序盤から話される台詞の一つ一つに意味があったりして
伏線を見逃さずに見ると見ごたえがあります。

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原作本です。

Black BookBlack Book
ポール・バーホーベン 戸谷 美保子

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<ネタバレ>
生き延びるヤツが一番怪しい!!

「インスリンとチョコレート」そして「棺おけ」などなど
前半で出てくるキーワードが後半効いてくる。

それにしても、髪の毛だけでなく下の毛まで染めるシーン
ラブシーン全てがエロティックでゾクゾクする
そういったシーンの入れ方がまた上手いタイミングでした。

人の善悪、表裏と上手い描き方です。
あのフランケンでさえも、音楽を愛した男だったし
ムンツェ大尉もナチス将校だけど、流血を嫌い
切手収集家なんて地味(笑)な趣味を持つ男でした。
そして、一見いい人であったハンスが一番の腹黒だったり
でも、ハンスもユダヤ人を助けていた医師で
逮捕されたことによってスパイとなってしまったとも思えるし
一般のオランダ人も正義と思えたレジスタンス達も、戦争が終わった途端(「マレーナ」でも描かれていたけど)
ナチス兵に群がっていた女たちを「売女」と辱め
人の善悪なんて状況で、簡単に転がり変わってしまうものだと
つくづく思わされます。

今、自分はある程度は『善』だと思っていても
何か極限の状態に置かれたら、変わりたくなくっても
変わらずにはいられなくなるのかもしれない。

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posted by 更紗 at 17:36| 広島 ☀| Comment(10) | TrackBack(6) | 映画評<は行> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
更紗さん、こんばんは。
>髪の毛だけでなく下の毛まで染める
これびっくりしました。そこまでなりきらなければいけないのなんて大変ですよね。
本当ラブシーンは全てがエロティックでした
私は土曜日の最初の回で見たんだけど、かなり込んでて両隣が見知らぬ男性になってしまって。
そしたら二人ともラブシーンで身を乗り出してました(笑)

それにしても一番の黒幕があの医師だったなんて。私はてっきり公証人だと思ってました。

この映画のでも一番好きなところはラヘルの凛とした姿、かっこよかったです。
Posted by Hitomi at 2007年04月12日 19:40
★Hitomiさん
 こんばんは♪
あのシーンはビックリでしたよね。
しかもハンスがいる前で隠しつつも続けているし(@_@)
普通止めて出でいってから続けないか?とか思ったり・・・
 しかしこういうシーン満載の映画で隣が男性だったりすると、なんだか居心地悪いですよね。
 公証人も怪しかったですね、彼は「簡単に人を信用するな」と言った本人だったので何らかの関りがあるだろう。とは思ったんですが・・・
Posted by 更紗♪ at 2007年04月12日 20:03
こんばんは♪
「生き延びるヤツが一番怪しい!」
その通りだったわよね。
最初にアジト(?)にナチスが踏み込んできた時に、彼はちょっと隠れていたんですよ。
そのときから怪しいな〜とは思っていました。
そういうサスペンス性を含めながら、あの時代に生きるということはどういうことなのかをまざまざと見せてくれましたよね。
Posted by ミチ at 2007年04月12日 20:55
いやあご無沙汰でした。しばらく死ぬほど忙しく、映画もこの2ヶ月ほどまったく観ていません。ずいぶんいろいろなことがあったようで大変でしたね。ひさしぶりに寄ってみたサイトがなくなっていたり、なんだか浦島太郎状態です。それで久々に観たのがこれでした。
最近ヨーロッパでは歴史の見直し作業が進んでいて、これまでの「ナチス悪、連合国善」という固定観念が揺らいでいるとも言われているようで、この映画もそうした動きと無縁ではないようです。今のハリウッドではナチス親衛隊の将校が準主役として活躍するなんてことは絶対にないでしょう。
小粒な印象は否めないものの、それだけにまとまっている感じはします。ただひとつだけ違和感を覚えたのは、映画の舞台になっているのが1945年2月から5月ぐらいの間の出来事のようですが、終戦間際という緊迫感があまり感じられず皆さん(特にドイツ側のほう)はのんびりしているという印象がありました。総統の誕生パーティーをやるような余裕はなかったと思うのですが、それ以外はまずまずだったのでは。流転の人生を送った挙句ようやくたどり着いた住処も決して安住の地ではないことを暗示させるラストもグッドでした。

<切手収集家なんて地味(笑)な趣味を持つ男でした
ヨーロッパで切手収集は「趣味の王様」とよばれ知的な趣味と考えられているようです。おそらくあれはムンツェ大尉が決して野卑な人間ではないことを示す演出だったのではないでしょうか。
Posted by ヨシリン at 2007年04月12日 22:53
★ミチさん
 こんばんは♪
怪しいですよねー生き延びたヤツって(笑)
定期的にナチスが踏み込んできたりして、絶対レジスタンスの中に裏切り者がいるって思いますよね。
色々とサスペンスを楽しみつつ、あの時代を生きる過酷さがよく分かりましたね。

★ヨシリンさん
 お久しぶりです。随分お見限りだと思ったら(笑)
私の方は本当に術後?ってくらい元気ですわ。

私もその違和感感じましたよ。
だったヒトラー最後の・・・と同じくらいの時期で、なんであんたたちそんなに呑気なの?
って疑問でした。
ガンガン連合軍の戦闘機が飛んでいる割に爆撃がなかったりして・・・
 切手収集、地味なヤツと思われるのは日本だけですかね?ムンツェ大尉の家族のエピソードも上手く使われてましたよね。

Posted by 更紗♪ at 2007年04月13日 16:35
射撃の腕前が一流のハンスだけ弾が当らないのはそれも射撃という実戦経験をいかしたものだと思っていたのに。
そうかぁ、そういうわけだったか・・・
Posted by kossy at 2007年04月13日 19:15
★kossyさん
 あー。それも言えてる部分ですね。
なんであんたには当たらない?ってくらい不思議でした。
Posted by 更紗♪ at 2007年04月16日 20:47
こんばんは〜♪
面白かったですよね〜コレ。
そうそう、チョコレートも棺おけも・・ちゃーんとあからさまに伏線はってるのがミエミエなのが微笑ましくて(笑) 
切手収集って高尚な趣味だったんですね〜?知りませんでしたー日本でも昔はやった時期ありましたわ。
ぶぶぶ。。そういえば、あの銃撃戦でハンスだけ当たらないってのも伏線だったんですねー 最後まで私は別の人だと思ってましたーアホ。
Posted by マダムS at 2007年04月16日 22:55
ドモドモ−♪
プチご無沙汰してましたー
まったり復活したのでよろしくお願い致しまする。

>人の善悪なんて状況で、簡単に転がり変わってしまうもの
ですねーー!
思わぬ人が悪人だったり、悪人らしき人が実はそうでなかったり。
チョコレートや賞味期限切れ?のクロロフィルムなどなど
伏線の使い方が上手かったですよね。
それにしてもフランケンって名前が凄すぎ・・・・・汗
Posted by Puff at 2007年04月21日 16:25
★スカさん
 こんにちはー。遅くなりましたー

伏線みえみえだけど、上手いんですよね。
私も一時切手収集しようかと思いましたが
あまりにもお金のかかる趣味なので即辞めました<小学生の頃(笑)

★Puffさん
 こちらも遅くなりました。

いい人ぶっている人ほど実は信用できなかったりするのかも・・・
期限切れのクロロフィルムは上手いですよね。
あれで後から、アイツかーーー。って思うし
Posted by 更紗♪ at 2007年05月14日 15:52
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