2006年12月15日

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キム・ギドクの世界 〜野生もしくは贖罪の山羊〜キム・ギドクの世界 〜野生もしくは贖罪の山羊〜
チョン・ソンイル 秋那 南 裕恵

白夜書房 2005-03-26
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05韓 監督・脚本/キム・ギドク
出演/チョン・ソンファン ハン・ヨルム
あらすじ/広い海に浮かぶ船上で暮らす頑固な老人と無垢な少女。
少女が17歳になったら、老人と結婚するという。
そんなある日、少女が笑顔にする青年が現れた。

★★★★
更紗評/キム・ギドクの世界は相変わらず独特だねー
ラストには、やっぱりとは思いつつもやり切れない思いもあり
とことん度肝を抜かれる、独特のエロチズムを感じます。

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<ネタバレ>
老人の真の狙いは、やはり少女の体かな
少女を亡くすくらいならと、首にかけたロープを
我慢できなくなると切ろうとしたり
何も言わずに「手を出すな」と言わんばかりの
弓矢の応酬!!
寡黙だけど、実に人間臭い、世捨て人だった。

キム・ギドク監督の作品は、最初に見たのが「悪い男」でした。
そして「魚と寝る女」と続きましたが、
毎回、見事なまでに「嫌悪感」を感じさせる愛情表現なんですよね。
今回もそれに近かったんですけど、
でも、ラストに死を選んだ老人を見て
彼にも彼なりの愛があったんだなー。と・・・

そして少女ですが、老人が何も教えず、何も見せずに
育てたため、感情だけで生きている感がありました。
3つ子の魂100まで!!
彼女が現代社会に戻って生き残れるのだろうか?
青年は、彼女を愛おしいと感じていただろうが
きっと現代社会に戻った彼女の我が侭に辟易し
手放すのは遠い日ではないと思った私です。

それにしても、この世代の少女は
とにかく怖いわね。
下手すると大人の女もかなわないエロチズムがあるわ。

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posted by 更紗 at 11:37| 広島 ☁| Comment(6) | TrackBack(4) | 映画評<や行> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
キム・ギドクの作品は、ホントに引き込まれちゃいますねー
好感、嫌悪感ギリギリのところを上手く演出していると思いまふ。

あの爺さんも少女もピュアな気持ちは分かるのだけれど、
でも、やっぱり、
「爺さん!それはイカンだろー!」でありました。。。エヘヘ
Posted by Puff at 2006年12月26日 18:20
そうそう、彼の作品を観ると必ず嫌悪感がわいてきますよね。
そこがまたいいというか、最後には嫌悪感がなくなってしまう。世間から一歩離れたところにいる人ばかりなので、それが原因かもしれないけど・・・
Posted by kossy at 2006年12月26日 18:39
劣Puffさん
 そうなんですよ。嫌悪感を感じるのに、どこか感じるものがあってさー
爺さんはね、困ったやつですけど、彼なりの愛情はあったろうし
それにしても青年の今後が心配です(笑)

劣kossyさん
 でしょー。だけど毎回見ちゃうんですよね。
そして、その嫌悪感が何か違う感情に変えられてしまう瞬間があるんですよ。
まあ身近にいない人ばっかだからかもしれないね。ほんと・・・
Posted by 更紗♪ at 2006年12月26日 19:03
こんばんは☆
うー、私は結構じいさんには弱いんで。笑
かなりじいさんよりの解釈をしましたよー。見た目で見ずに心だけ見ると、かなり目線は少女と同じつもりだったようにも見えてくるし。
…というか、年齢差あるカップルの作品ばっかり見てるんですよ。だから私の感覚が麻痺してんのかもです。爆
少女のその後・・・占い師かな。
青年が弓を射るのかー?・・・当たっちゃったりして。あちゃー。。。
Posted by charlotte at 2006年12月26日 21:23
こんにちは♪
私はこれで3作目なんですけど、いつも驚きの設定ですね〜。
実に人間くさい老人には滑稽さも感じました。
あの少女は船から降りてどうするのかすごーく興味があります。
あの青年の手には余ると思うな〜。
Posted by ミチ at 2006年12月27日 18:35
劣シャーロットさん
 こんにちは♪
じいさんに弱いですか(笑)
確かに彼の目線で見るとかなり悲しい話ですよね。
青年じゃ弓が・・・
反対に少女が弓射って、青年がブランコこぐんですよ、いたたっ

劣ミチさん
 こんにちは♪
毎回驚かされますね
初めてみた「悪い男」なんてなんて気持ち悪い話なんだー。と思いつつも
見終わってから色々とね考えるし
少女は青年の手にあまる
そうですよね。あれは包容力&寛容力ある老年でないと無理な女です。
Posted by 更紗♪ at 2006年12月29日 09:31
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