2006年11月21日

硫黄島からの手紙@試写会

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栗林忠道 硫黄島からの手紙栗林忠道 硫黄島からの手紙
栗林 忠道 半藤 一利

文藝春秋 2006-08
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監督/クリント・イーストウッド
出演/渡辺 謙 二宮和也 伊原 剛
あらすじ/五日間で落とせる。と考えていた硫黄島を
38日間戦い抜いた日本軍。
それを指揮した栗林中将と共に玉砕した軍人たちを描く

★★★★★
更紗評/鑑賞後は、とにかく何もいえなかった
会場シーンと静まり返り、その後の渡辺謙・伊原剛の舞台挨拶へと繋がりました。

硫黄島と聞くと「玉砕した島」というイメージしかなかったけれど
この島で散った軍人たちが、最後まで闘いぬいたのが
よく分かりました。
「玉砕」と一言で言うけれど、退却をよし。とせずに自決したのと、
最後の一兵となるまで戦い抜いた上での死とは意味が違うと思う。

撮影の最終日。
硫黄島の「擂鉢山」の山頂で
日米それぞれの慰霊碑が建てられているのだが
そこで、米国人スタッフの人が、渡辺謙に対し、
星条旗と日章旗を出し、星条旗を渡辺謙に持たせ
日章旗を米国人スタッフが持ち、写真撮影をした。と言う
栗林中将は、やはりカナダ・アメリカにいた時期があるだけ
戦時中にしては進んだ考えの人だったので、
彼の望んだ世界は、こういう姿だったのかもしれない。

61年たった今、米国人スタッフと日本人キャストが
共に「硫黄島」を描いた。それが素晴らしい。

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<ネタバレ>
まあ玉砕した島というのでネタバレも何もないだろうが
一作目である「父親たちの星条旗」を見たときに
この米兵とは逆の視点で「硫黄島からの手紙」が撮られているといいな。と
思っていた。
それが見事に撮られていました
あー。このシーンは、あそこの場面と繋がる繋がる
すると、この映画の重みが一段と重くなる。

いくつか、印象的なシーンがある

・栗原中将の体罰をよし。と、しない体制
・死に急いでいたような中村獅堂が生き延びたコト
・「一人前な軍人になったな」と言う栗原中将に
 「いえ、たたのパン屋です」と言う西郷。
・西郷が栗原中将の小銃を米兵が持っているのを見て
 スコップを振り回すシーン。
・バロン西の最期。
・バロン西が助けた米兵サムと話す内容。

実在の人物がいる中、二宮くんの演じた西郷は
完全に空想の人物らしい。
それにしても、上官次第で軍人の死に様は左右されるのね。
無理やり自決される者もいれば、
最後まで闘い抜くことを優先される者もいて、
生かされる者もいる。

何より、大本営の非情なまでの対応には
今更ながら頭にくる。

渡辺謙が舞台挨拶で広島の地で上映できて嬉しいと言っていた
広島の方は、他地方の人よりも平和にたいしてより考えている人たちで
その人たちがこの映画を見てどう感じるか?
とても気になる。
そして、過去にたいして「if」はありえないけれど
もしも、硫黄島が米国の予定通り「5日」で陥落していれば
広島・長崎以外の地にも原爆がおとされていたかもしれない。と・・・

私が考えたのは、終戦記念日が8月15日ではなく、
7月になっていたかもしれない。
そして、特攻や回天なので死にいった若者が
多少は減っていたのかもしれない。と
栗林中将が言う「私達の子供たちが日本で一日永らえるならば
私たちが闘う一日には意味がある」と
それは同時に「一日終戦を遅らせる」結果になってしまったんだなー。と
そんなコトも考えると、本当に昨日から色々と考えてしまいました。

戦争はイヤだね。
私は夫も父も弟も、私に関わる誰も戦争にいかせたりしたくない。

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posted by 更紗 at 18:40| 広島 ☁| Comment(13) | TrackBack(9) | 映画評<た行> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わたしもスコップを振り回すシーンが印象に残りました。
栗林中将、いい人でしたものね。。。
Posted by えふ at 2006年12月10日 01:58
私も観てきましたよ〜!
>彼の望んだ世界は、こういう姿だったのかもしれない
いや〜まったくその通りだと思います!
そう思いつつ日本軍人として周りが臨むような最後を選んだ結末は切なかったですねーー
更紗さんが揚げられた印象に残るシーンは、この映画の重要なポイントそのままですよね。すべての方にこの大事な部分を見逃さずに観て欲しいと思います。
Posted by マダムS at 2006年12月10日 10:48
劣えふさん、いい上官で西郷もあの銃を米兵が持っているのは耐えがたかったんでしょうね

劣スカさん、中将の死に様は望むとも望まなくとも、あーするしかなかったんでしょうね
西郷の視点で現代人と同じで描かれてたのが余計に悲しさを増させました
Posted by 更紗@携帯 at 2006年12月11日 11:59
良い映画でした。前日にテレビで「戦場の郵便配達」を観ていたので、
内容がぐっと分かり易く好印象でした。前作ではあっちこっちへ時間軸が移動して
散漫な映画だなあと思いましたが、本作は過剰な編集もなくて見やすかったです。
届くことがない手紙を書き続けた兵士たちの想いが
観ている我々に伝わってくるような素晴らしい映画です。
時間があれば再度鑑賞してもいいかな。
Posted by undo at 2006年12月11日 20:11
心に残る戦争映画でした。
大本営では本土上陸に備えて徹底抗戦の準備。
最後まで玉砕したかったのですね・・・あの人たち。
玉砕なんてダメだという主張が他の国々の人たちにも伝わりますように・・・
Posted by kossy at 2006年12月11日 21:26
こんばんは。
人は生かされてるんだなと、なんとなく見ながら考えました。西郷のその後が結構気になります。彼は架空の人物なのですか…。映画の流れでいくと奥さんと子供に会えたのだと思いたいですが。
色んな運命が複雑に交差してましたね。
シンプルなのは、やはり生への執着と家族への思いなのかな。
派手さが抑制されているから余計に、ずしりと重く心に残ります。
でも私にはすごくリアルな戦闘シーンだったから怖かったのと、力入れすぎ画面凝視でホントに疲れました…
Posted by charlotte at 2006年12月12日 00:26
更紗さん、こんにちは。
「戦争なんていやだ」とは思うけれど
じゃぁいったいどうすりゃいいの??
と思ってましたが、この2部作を観て
「敵を知る」ことの重要さに気づきました。
シャベルは「ミリオン・ダラー〜」のマギーの
お父さんの犬のエピソードを思い出しました。
イーストウッド監督は本当に「宗教では救われない」と
思ってるようですね。確かに現在の戦争を見ると
そうとしか思えませんね。
本当にいろんなメッセージがこめられた2作品だと思いました。
Posted by あさこ at 2006年12月12日 18:10
更紗さん、こんばんは。

もし硫黄島が5日で落ちていたら・・・もしかしたら広島にも長崎にも原爆は落ちてなかったかもしれないしその逆かもしれない。
もちろん結果は分かりませんが、広島に生まれ育ったことで平和についての意味をより考えているのかもしれませんね。

映画の感想は本当にどう言葉で表現していいか分からないです。
悲惨だとかかわいそうだとか書けば簡単なんですけど、そんな言葉で済ませてはあそこで戦った兵隊さんたちに失礼になるような気がするし。
Posted by Hitomi at 2006年12月12日 21:43
劣undoさん
 ほんと、手紙の持つ重みがとしみじみ伝わってきました。
届かない手紙を書く気持ちどんなものだったのか、少しは理解できた気がします。

劣kossyさん
 ほんと大本営は「総国民玉砕」考えてたんでしょうね
「太陽」で天皇が「最後の日本人が私なのではないか」なんて言ってましたが
軍部はその気だったってことね。

劣シャーロットさん
 かなり肩に力が入りましたよね。
でも、見届けなくては・・・という気分でした。
西郷の生への執着。それはやはり身を助けたと思います。
そして死ぬことを思い描いていた者も生き残るっていうのも皮肉ながら事実だとも思えました。

劣あさこさん
 宗教は心の救いにはなっても、命は救ってくれそうにないですね。
日本人らしい考えですけど、イーストウッドもそんな考えだったのですね〜
「戦争が起きない」そんな世界はどうやったら出来るのか?
今はただ、世情をしっかりと見据えることが大事かと・・・

劣Hitomiさん
 「if」を考えても仕方ないことですが、色々と余計なことまで考えてしまいます。
ほんと見終わって言葉失いましたもの
 可哀想というか、なんとも生まれた時代が悪かったとしか…
彼らに罪があるわけではないのにね。
Posted by 更紗♪ at 2006年12月13日 15:05
更紗さんこんばんは。

ようやくこっちから先の鑑賞になりました…。広島にいる更紗さんならではの視点、ありがとうございます。私は軍隊としての「組織の効率」の面からこのドラマを観ていた感があったので。

広島に落とされた原爆はテニアンから飛ばされた飛行機のものでしたっけ。硫黄島は「象徴」ではあったけれども実際に日本本土の空襲を食い止めたり原爆を落とされてしまうことには無力だったのかも、などなど、個人的にも再度いろいろと考えさせられる作品でした。

次週以降、シネコンのスクリーンがお正月で塗り変わるまえに「父親たちの星条旗」も観にいかなくては!
Posted by ruko at 2006年12月14日 00:51
ワタクシも幾つか印象的なシーンがありました。
西郷がスコップを振り回すシーンもそうだし、
中村獅堂が米兵たちに見つかった時は(捕虜として生き延びるだろうから)何とも皮肉だなあ、と思いました。
あ、それから、二人が投降したにも関わらず銃殺された場面も心に残ってます。
こういった事は少なからずあったんでしょうね・・・・・
アメリカ側からすると負のイメージなのに、きちんと描いてくれたクリント・イーストウッド監督に拍手です!
Posted by Puff at 2006年12月14日 18:55
「終戦が早かったなら・・・」
いろんなことが考えられますね。

この映画はやはり2部作で、ひとりでも多くの日本人に見て欲しいと思いました。
そして、考えて欲しいと。
Posted by カオリ at 2006年12月18日 17:51
皆様遅くなりました。

劣rukoさん
 そうテニアンからの飛行ですので原爆うんぬんは関係ないと思うんですよね。
渡辺謙はそんなこと言ってたけど・・・
それよか私は終戦が遅れた気がして、考えこんでしまいました。
 「星条旗」ほうはご覧になられたかしら?
前後したようですが、シーンのリンクが凄いです。

劣Puffさん
 西郷のスコップ振り回しは、やはり上官への尊敬の念からですよね。
日本軍の捕虜への対応は色々とささやかれていますが、米軍にも少なからずあったと思うんですよね。
それをこうやってアメリカ人のイーストウッドが描くってのが凄いですよね。
ほんと拍手もんですよ。

劣カオリさん
 そうなんですよ。どれもifなんですけど、色々と考えることが多くて絶句してしまったのでした。
 世界の人に見て欲しいです。
靖国も問題も「靖国で会おう」という台詞聞けば、色んなこと考えられますよね。
Posted by 更紗♪ at 2006年12月26日 18:52
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