2006年11月04日

父親たちの星条旗

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父親たちの星条旗父親たちの星条旗
ジェームズ・ブラッドレー 大島 英美

イースト・プレス 2006-09-27
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あらすじ/太平洋戦争時、日米がもっとも激しい死闘をくりひろげた硫黄島。
この山頂で星条旗が掲揚される瞬間をとらえた写真は、
60年以上にわたり、何億もの人々の魂をゆさぶり続けている。
この写真の中の掲揚者たち6人のうちの生き残った3人が
戦費が底をつき、国債を売るために利用できると考えた政府に
彼らを”英雄”として祭りあげ、戦費調達全米ツアーに送り出すのだった。

★★★★☆
更紗評/冒頭の硫黄島上陸シーンは「プライベートライン」ばりの
凄さで・・・目覆いつつ見ました。ほんと衝撃的。

戦争映画ですが、敵兵の姿がほとんど見えません
史実として敵は日本兵であると知っているわけですが
そういう描き方をされているために、あまり先入観を持たずに見れました。
国旗を擂鉢山に掲揚したという行為を「英雄視」されて
死んでいった仲間を思いだしながらも、自国でさらに仲間を
死へと追いやるための゛国債゛を集めなければならない彼ら
彼らの苦悩の日々と、その後の生活の落差などの現実を見せ付けられました。
これは痛烈な反戦映画となると思います。

ブログランキングで人気レビューも読むマイク演じたバリー・ペッパー軍曹が素敵でした。
昇進して最前線からはずれるように言われているのに
前線に部下と残り、死してしまうとは…
それにしてもバリーには軍服がよく似合う。

ドクは、精神的に辛くとも割り切って「英雄を演じ」
アイラは人種差別を感じつつ、精神的に辛く酒に逃げ
「英雄を演じ切れなかった」
レイリーは、ちゃっかりと「英雄劇に乗っかり」
就職にも利用しようとしたけれど、
戦争が終われば彼は過去の人で、適当にあしらわれる結果になった。

3人それぞれの結末が対照的で、でも3人とも
戦争で傷ついた心は死ぬまで癒されないままだったのは同じでした。

本当の戦争を知っているものはしゃべらない

広島で被爆者が長い間語ろうとしなかった体験と同じで
心に深い傷を負ったものは容易には語れないものなのかもしれない。

さて、二部作であるこの作品
一部だけ見て評価はしずらい。二部がこの逆の視点で
あくまで視線という意味で、全く反対だと面白いと思っている
上陸の時の、あの隙間からの射撃。
あの穴の中から外を見ていて、米兵の上陸をドキドキしながら待っている
そういったシーンが見れるといいなと思っています。

そういえば、あのケーキでイチゴシロップがかけられたシーンで
イチゴの赤が血の色に見えるってのは上手いね。

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posted by 更紗 at 17:56| 広島 ☀| Comment(16) | TrackBack(6) | 映画評<た行> | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>本当の戦争を知っているものはしゃべらない
ですよね。
今後、その戦争を知ってる世代の方がだんだんいなくなってくるので、残された世代のためにいい映画をたくさん作っていただきたい・・・と思うのはわがままなことでしょうか。
第二部を観て、評価が下がってしまわないことを願うばかりですね。
Posted by kossy at 2006年11月04日 18:51
なんともややっこしい映画でございました。私が鈍感なので、あんまり心に響くこともなかったです(自爆)。いい映画だとは思いますけど。なんだか良質のドキュドラマをお金をかけて作りましたって感じです。ヒロイックな戦争映画を期待すると、肩すかしですよ。人間ドラマというのが正解かも知れない。アメリカのプロパガンダ政策に利用された兵士たちの苦悩みたいな映画です。構成が、過去へ行ったり現代に戻ったりと忙しいのと、各キャラクターを良く覚えておかないとだめです。だから観る前にパンフで予習するのが必修科目(最近話題)ですよ。
Posted by undo at 2006年11月04日 19:39
>kossyさん
 私もここ数年「戦争映画」がどこの国でも多く作られているのは、戦争を知っている人がどんどん少なくなっているからではないか?と思っています。
だから、今残さなくては・・・という思いもあるのかと、ね。
二部で評価upといきたいですねー

>undoさん
 人間ドラマ。まさにその通りですね。
「英雄」と利用された人たちの末路
それぞれの落差が凄くて、そこに戦争の非情さを感じました。
 確かに、時間が前後しすぎて分かりにくいのはありましたね。
あの辺りはもっとスツキリとはしてほしかったですね。
Posted by 更紗♪ at 2006年11月04日 19:45
更紗さん、こんばんは。
見ごたえありましたー。
戦争映画が多いのは現在の世界情勢を反映
してるせいもあると思います。
現在を変えるには過去を顧みることが大切、
ということでしょうか?
それだけに多くの人に見てほしい映画だと思うのですが・・・。
気合入れて見に行った人以外にはわかりにくい
部分もあったかもしれませんね。
Posted by あさこ at 2006年11月04日 22:18
こんばんは〜。
戦争というものは終わってからも、ずーっと傷跡を残すものなんでしょうね。
ヒーローになったのもつかの間。
その後の人生は決して上手くいったようには見えなかったところがなんともやるせないです。
あのケーキのソース、せめてストロベリーはメニューにのせて欲しくなかったわ〜。
ものすごいブラックだなーとイーストウッドが怖くなりましたー。笑
あ、でもファンです。むふふ
Posted by charlotte at 2006年11月04日 22:54
更紗さん、こんばんは。
>広島で被爆者が長い間語ろうとしなかった体験と同じで
そうですね、あの時本当に悲惨な体験をされた方はその傷が深すぎてなかなか語らなかったんでしょうね。
そうしてその事実がなかなか次世代に残せない、なのでこういう映画は本当に見るべき映画だなって思います。
Posted by Hitomi at 2006年11月04日 23:15
こんばんは♪
アメリカもアメリカなりに経済が苦しかったことや、国債を買わせるためのツアーがあったことなど、まだまだ知らないことがいっぱいだなと思いました。
アイラの行く末は特に気の毒でなりません。
戦場へ戻りたがった気持ちが分かりますね。
Posted by ミチ at 2006年11月04日 23:44
TBとコメントありがとう♪
監督もおっしゃってますが、最近の”戦争もの”は 昔の所謂”敵をやっつける”戦争映画とは全然違うということ、改めて感じさせてもらいました。
3人3様の戦後も、あの時の経験が大きく影響した結果というのも痛ましく、まだ20歳そこそこで十分な処世術も知らない彼らでは無理なきことと、哀れでした。
Posted by マダムS at 2006年11月05日 10:03
こんばんは〜
私は、ストロベリーソースがショッキングでした・・・
最初にアイラが聞かれて、次にドクが聞かれたときに、それをぎょっとしたようにドクが見つめる。

あの、見る見るうちに染まっていく赤が、戦争のモノクロ風のシーンと対比されて、目に焼きついています。

硫黄島からの手紙、気になりますね。
Posted by カオリ at 2006年11月07日 01:28
劣あさこさん
 こんにちは♪
色々な意味で沢山の人に見てもらいたい映画でした。
私的には米国本土ってこんなだったの?と日本とのあまりもの違いにビックリでした。

劣シャーロットさん
 あのストロベリーはいただけませんよね。
確かにおいしそうだけど・・・
まあイーストウッドが、というよりも実際に出されたものがストロベリーだったんでしょうね。
本国の人間はそこまで戦争に対して無頓着だった。ということかなー

劣Hitomiさん
 どんどん、継承できる人がいなくなっている今、映画ででもその知識いれておきたいですねー

劣ミチさん
 ほんとビックリでしたね。
まあ資源の違いは知っていたけれど、あそこまで本国の人は戦争を対岸の火事程度にしか思っていなかったとは…

劣スカさん
 そうですねー。「善悪」ではあらわせないモノというか…
最近の作品の方が深みがありますね。
 彼らの年齢、結局利用されるだけで、もっと機転のきく年齢であったなら違った結果だったかもしれません。

劣カオリさん
 こんにちは♪
あの血の色に見せたのは効果ありましたけど、ショッキングですよね。
でも、それを出してしまうほど、本国の人間は無神経だったのでしょうね。
 手紙の方、早くみたいです
Posted by 更紗 at 2006年11月07日 16:07
今年、一番胸にしみたんじゃないかとおもうくらい、
いい作品でした〜。
クリント・イーストウッドさすがです。

ぜひ後編がみたいですね。
Posted by えふ at 2006年11月07日 21:34
劣えふさん
 イーストウッドは俳優より監督の方がいいかも(笑)
後編にも期待してます。
Posted by 更紗@管理人 at 2006年11月09日 17:52
こんばんは。
ちょっとご無沙汰していました。
お久しぶりです。
私も一ヶ月ぶりの劇場観賞でした故か、それとも作品が良かったのでしょうが、とても惹きつけられました。
そうそう、日本兵でも、戦争について、語ろうとしない・・・と言うことは良く聞きますねっ。お互い心境は同じなのではないでしょうか?
この硫黄島だけだそうですねぇ〜。戦後日米で合同慰霊祭をするのは・・・。
それだけどちらの人々も心に強く残る戦いだったのでしょう〜。
第二部が待ち遠しいです!
アル意味、こういう作品をつくってくれた人々に感謝したい気持ちです。
Posted by 紫の上 at 2006年11月11日 00:52
劣紫の上さん
 大変レスが遅くなりましたー。すみません。

やはり酷い経験であればあるほど、言葉には出来ないものなんでしょうか。
言葉では表現できない。ってのもあるのかもしれないけれど、思い出すのは辛いものなのかと・・・
 硫黄島では合同慰霊祭があるんですか?そうかー。それだけ双方にとって頃に残る戦いの場だったのですね。
 さて二部作楽しみに待っていましょう。
Posted by 更紗♪ at 2006年11月15日 21:50
更紗さん、今更ながら観てきました。

観てる途中から、更紗さんが以前からおっしゃってた「本当に体験した人(広島の原爆被爆など)は、話さないあるいは話せない人が多い」ということばを思い出していました。

3人それぞれが想像を絶した現実とどう折り合ったか、という軌跡の物語なわけですけれど、浜辺に並ぶボディーバッグ(遺体収容用)とか、エンドロールに出てきていた凄惨な現場写真(おそらく紙面を飾ることはなかった)などを見ていると、直接的に何も言わなくても痛烈に現在イラクでどんなことが日々起こっているかを感じずにはいられませんでした。

アメリカの人はやっぱりこっちの作品には目を背けて(汗)「硫黄島からの手紙」のほうを推すんでしょうか…。
Posted by ruko at 2007年01月17日 22:52
劣rukoさん
 ご覧になりましたかー
私もこの映画見た時に「やはり実際体験したものでないと分からない。本当の戦争を知っている人は口に出来ない」とつくづく感じました。
でも、画面からの現地の惨劇は色々と感じ取る材料となりました。

Posted by 更紗♪ at 2007年01月18日 20:35
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