『洗脳って恐ろしい』
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<更紗評>
予告を見た時点で結果は予測してたんですが、
結末がなんとも…
結局、幼いころからのすり込みが彼らを
がんじがらめにしてしまい、
逃げることができなかったんだろう。
洗脳ってことだよね。
切なかったです。
<ネタバレ>
みなさん書かれている感想のように
私も「アイランド」を思い出しましたが、
あちらはハリヴッドらしい自我が表現されていましたが
こちらは英国らしい、なんていうのでしょうか、
じめじめ感がひしひしと…
彼らが成長し、恋をしたり、芸術に打ち込んだりと
普通の青春の日々がくる。
臓器提供者として生き、他人のために命を全うする。
ほとんどの人が提供2回目で終了する。
命が終わる事を「終了する」と表現するあたりが
やはり、彼らは提供される側の人間にとって
モノ(臓器)でしかなかったのかな〜と
本気で愛し合っている男女には二年の猶予期間が
与えられるという噂から、確かめた真実は
「彼らが恋も芸術もする感性があることを確かめるだけ」とは…
何もかも打ち砕かれていく中、彼らが逃げることを
選ばないのが不思議だったが、
今すでに成長している私だから、そう考えるだけで
我々日本人も、幼少期から彼らのように育られ
洗脳されていたら、この運命を受け入れてしまったかもしれません。
一緒にするのは変な例ではありますが、
戦時中に特攻という行為で命を散らした隊員たちも
彼らの教育が洗脳に近かったというか
そういうことだったのではないか?と思えました。
だって、現代の若者が国のために命を散らすことは
考えられないもの。
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この作品を観てから、随分と時間が経過しましたが、思い出すたびに主人公の3人や、そういう宿命を背負った人々が気の毒というか・・。
人間は、科学の力を過信して、なんて傲慢になってしまったんだろうと思ってしまいます。
今回の原発の事もあるので、余計にそんな風に感じてしまって・・。
彼らが余りに純真で、運命を疑うこともせずに受けているところが、何とも切なかったですね。
イシグロさんの作品ということで、日本人の共感を呼ぶ作品に仕上がってますよね。
「アイランド」とは、仕上がりが全然違う!(笑)
そちらはそちらで楽しかったですが^^;